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統合失調症

2013-07-11

統合失調症について

統合失調症は、脳の機能の一部に異常が起きることで発症する病気です。

近年になって研究や治療法が進んできたため、まだ解明されていない部分もありますが、統合失調症の病状には、脳内の神経伝達物質のドーパミンが深く関与していると考えられています。適切な対応を欠くと悪化・再発を繰り返すこともありますが、統合失調症は治らない病気ではありません。回復に向けて、焦らずじっくり取り組むことが大切です。

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一般的な心の病である統合失調症の特徴について

統合失調症とは、うつ病(躁うつ病)と並んで、非常に症例の多い心の病です。有病率は、おおよそ0.5~2%程度で、国や地域による差は特にありません。また、ギリシア時代の文献にも記載があるなど、歴史的に見ても珍しい病気ではありません。統合失調症は、かつては精神分裂病(精神分裂症)という病名で呼ばれていました。しかし、この病気が長い間原因不明であり、社会から隔離されてきた歴史的背景により、現代でもこの病名に対する偏見が根強いことから、2002年に日本精神神経学会が病名を統合失調症に改めました。

統合失調症が発症する時期は、児童期から老年期までさまざまですが、思春期や青年期(男性は20代の前半から半ば、女性は20代後半)での発症例が多く見られます。その症状は、幻覚、妄想、独り言、知覚の歪み、自分の考えている中身が周囲に漏れている感じ、誰かに身体や思考を操られているような感じ、異常な緊張や興奮といった「陽性症状」と、疲れやすさ、意欲や集中力の低下、会話の減少、感情が鈍くなる、複雑・抽象的な思考ができなくなる、思考や行動がパターン化する、社会的ひきこもりといった「陰性症状」の、大きく2つに分けられます。さらに、不眠、食欲異常といった身体症状も見られます。さまざまな症状がある一方で、本人がなかなか病気である自覚ができないケースが多いのも、統合失調症の大きな特徴です。このため発見や治療が遅れ、長期間ひとりで悩んだりストレスを抱えたりしがちです。

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統合失調症の発症原因について

統合失調症になる原因については、まだ明確には分っていません。しかし、脳の機能の一部に異常が起こることにより、通常の働きが阻害されて起こることが分かってきました。特に、神経伝達物質のドーパミンが、統合失調症の発症に大きく関わっていると考えられます。すなわち、ドーパミンの機能が過剰になると陽性症状が起こり、逆にドーパミンの機能が低下すると陰性症状が起こるというものです。ただし、脳の機能は非常に複雑であり、単純にドーパミン機能だけで起きると言うことはできません。最近の研究では、セロトニンやグルタミン酸なども関与しているのではないかと考えられています。

また、統合失調症が発症する要因としては、脳機能の異常だけでなく、環境的要因や遺伝的要因が関わっている可能性も考えられます。平均的な有病率が0.5~2%であるのに対し、調査により異なるものの、一卵性双生児の1人が統合失調症の場合、もう1人も統合失調症である可能性は、30~50%と報告されています。しかし、出産前後や分娩中のトラブルが関わってくるとの見方もあり、遺伝が大きな要因であると断言することはできません。実際、妊娠中期のインフルエンザ(ウィルス)感染、分娩中の低酸素状態、出生時の低体重、母体と胎児の血液型不適合などの条件により、発達中の胎児の脳に損傷が起こる可能性があり、これが統合失調症の原因のひとつになるとも考えられています。

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統合失調症の発病から回復にいたる段階と再発を防ぐ注意点について

統合失調症の経過は、「前駆期」「急性期」「消耗期」「回復期」の4段階に分けられるのが一般的です。「前駆期」は、不眠などの体調不良が続き、人生が行き詰った感じや、自分がだめになってしまうような気持ち、理由のない焦燥感などが起こります。この段階で病気に気づき、しっかりとした治療を受ければ、以後あまり心配することはないでしょう。しかし、「急性期」に入ってしまうと、猜疑心が強くなり、幻覚や妄想が起きるなど、常日頃とは明らかに違う言動が多くなってきます。周囲が自分の悪口を言っているように感じるなど、現実を歪曲してしまったり、極度な混乱状態となったりして、ごく普通のコミュニケーションも難しくなってしまいます。しかし、こうした嵐のような状態も、永遠には続きません。さまざまな症状に振り回されて疲弊することにより、「消耗期」へと移行します。この時期は、幻覚や妄想、混乱状態は徐々におさまってきます。しかし、エネルギーが枯渇しているため、言動が全般的に鈍くなるのが特徴です。また、この時期は脳内が不安定な状態にあるため、何かのきっかけで再び急性期に逆戻りしやすい危険性もはらんでいます。適切な治療はもちろん、規則正しい生活や十分な睡眠をとることが重要です。「回復期」は、文字通り、回復へと向かうおだやかな時期です。徐々に感情が安定し、それまでできなかったことも少しずつできるようになってきます。家族との会話も増えてきます。しかし、ここで無理をすると、再び急性期へと戻ってしまいかねません。患者さん自身も周囲も、焦らず治療に努めるようにしましょう。

統合失調症は、適切な治療を行うことで治癒する病気です。しかし、無理をすると悪化や再発の恐れがあるのも事実です。再発が繰り返されるようになると、回復までの時間が長くなる傾向があるとも言われています。統合失調症が精神分裂病(精神分裂症)と呼ばれていた時代は、再発を繰り返して、いずれは人格が荒廃する病気と考えられていましたが、現在では統合失調症に対する研究が進み、有効な治療法も出てきています。まずそのことを患者さんと周囲の方々が理解し、焦らず取り組んでいくことが何よりも大切です。

<統合失調症の経過段階>

前駆期:発症の前触れの時期
不眠、不安感、音や光に敏感になる、物事に集中できなくなる など

急性期:陽性症状が中心となる時期
強い不安感や緊張感、幻覚、妄想、興奮、極端に敏感になる など

消耗期:陰性症状が中心となる時期
疲労感、睡眠過多、感情鈍磨、気分の落ち込み、意欲の低下 など

回復期:症状が徐々に収まってくる時期
消耗期からの緩やかな回復、陰性症状と認知機能障害が出ることも

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